まずコンデンサは「有極性コンデンサ」と「無極性コンデンサ」に大きく分類できます。

コンデンサには2つの端子があります。

有極性コンデンサ」は、2つの端子のうちプラス側が決まっているコンデンサです。電解コンデンサなどが有極性コンデンサとなります。有極性コンデンサはプラスとマイナスを間違えて接続すると、コンデンサが故障します。

一方、「無極性コンデンサ」は、プラス側とマイナスが決まっていないコンデンサです。セラミックコンデンサなどがあります。

コンデンサの種類別に、特徴を解説します。

1.アルミ電解コンデンサ

アルミ箔の表面に電気化学的に酸化アルミニウムの絶縁被膜を形成したコンデンサです。比較的大容量のものを作ることができます。

誘電体(アルミ酸化皮膜)とアルミ箔との間に紙(セパレート紙)を挟んでお互いに接触しないようにしながらロール状に巻き、液体の電解質に浸して封じた構造となっています。

容量と耐圧の品種が豊富で安価です。形状が大きく、寿命が短いというマイナス面もあります。

2.セラミックコンデンサ

絶縁体としてチタン酸バリウムなどの誘電率の大きいものを使い、小型の割に容量が大きいです。
近年は、薄膜積層構造により小形大容量化した積層セラミックコンデンサの出現や、欠点であった温度特性(温度による静電容量の変化率が大きい)を克服した温度補償用の出現によりその使用範囲が大きく拡大し、コンデンサの中で最も多く使用されるコンデンサとなりました。

無極性で長寿命、高耐熱です。
また、マイナス面としては、印可電圧によって容量が変化する特性があったり、高周波による振動で音鳴りが発生することがあります。

3.フィルムコンデンサ

フィルムコンデンサは、誘電体にプラスチックフィルムを用いたコンデンサです。

セラミックコンデンサと比較すると耐熱性は低いものの、優れた温度特性・静電容量の高精度対応が可能です。
また、セラミックコンデンサより、形状が大きく高価という短所があるため、セラミックコンデンサではカバーできない電圧・容量域や高性能/高精度用途で使用されます。

4.電気二重層コンデンサ

電気二重層コンデンサは、アルミ電解コンデンサと二次電池(バッテリー)の中間の容量を持つ特殊なコンデンサであり、その容量密度はアルミ電解コンデンサの約1000倍以上で、二次電池の1/10程度です。

固体(活性炭電極)と液体(電解液)の界面に形成される電気二重層(Electrical Double Layer)を誘電体の代わりとして使用しています。

容量が極めて大きく、充放電回数に制限がないという特徴があります。
そのため、停電時のICメモリのデータ保護など、バックアップ用電源として利用されます。

以上、今回はコンデンサの種類について解説しました。

コンデンサといっても様々です。用途に応じて適切に使い分けることが重要です。

(日本アイアール株式会社 技術ライターN)


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